一昔前は、ギターやベース、ドラムなどといった軽音楽系の楽器をみんなで合わせる場といえば、バンドが定番でした。
ただ、レジャーの多様化や個人主義の深化、あるいはプレイヤーの多忙化などといった事情もあり、最近は一昔前に比べると、バンドを組み、それを長期にわたって持続可能なものにすることは、なかなか難しいものがあります。
こうした状況の中、多くのプレイヤーがYouTubeなどの「弾いてみた動画」などに発表の場を移して行っている中、「そうは言っても、やっぱり生演奏のグルーヴを味わいたいんだよなあ」という思いを、潜在的に多くの人が抱えているのも、また事実。
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そうしたプレイヤーの思いに応える場として、最近流行っているのが「ジャムセッションイベント」。TwitterやFacebookのほか、最近は楽器店のイベントとして行われる事例も増えてきました。
しかし、このジャムセッションイベント、残念ながら「行ったけど、不快な思いをして帰ってきた」という声を、思いの外たくさん聞きます。
今回は、そうした声を拾いながら、「ざんねんなジャムセッションイベント」について考察してみたいと思います。
なお、以後、当ブログでは、こうした「ざんねんなジャムセッションイベント」を「ざんジャム」と略して呼称することとし、「ざんジャム」というワードをキーにしながら、こうしたイベントへの問題提起を行っていくこととしています。
それでは、本題へまいりましょう。
- ジャムセッションイベントの問題点について知りたい
- 初めてジャムセッションに行こうと思っているが不安だ
- ジャムセッションのやり方が分からず、誰かに聞いたらイヤな対応をされた
- なぜジャムセッションで不快な思いをする人が多いか考えたい
- ジャムセッションイベントのホスト・コアメンバーに言いたいことがある
- ジャムセッションのホスト・コアメンバーに見せたいサイトを探している
- 「ざんねんなジャムセッション」「ざんジャム」の存在を啓発したい
もくじ
ジャムセッションイベントとは?
まず、本題に入る前に、そもそもジャムセッションとは何なのか…という話。
これは、端的に言うと、楽器を持った任意のメンバーで集まり、主にコード進行だけ決めてアドリブ演奏を合わせたり、あるいは定番曲等を演奏するようなスタイル…いわゆるジャムセッションを、多くの人で集まって楽しもう、というもの。
主にジャズやブルースなどのジャンルに親しみのある方にとっては、比較的なじみも深いのではないでしょうか。
楽曲をカチッと決めて、事前にしっかり練習してから臨むというよりは、どちらかというとその場のノリで演奏を楽しむところがあり、バンドを組むよりも相対的に気楽に合奏ができることから、最近特にこうしたジャムセッションのイベントをよく見かける傾向にあります。
楽しそうだけど…実際は近寄りづらい
とまあ、これだけを聞くと、「気軽にみんなで演奏を楽しめて楽しそう」という印象を受けます。
ところが、実際にジャムセッションイベントに参加した人の多くは、その場にどことなく居心地の悪さを感じてしまっているのが実態です。
この手のイベントは、一度参加すると、次回開催時にホストの方からお誘いを受けることが多くありますので、それを断り切れずに、半ば義務的に次からも参加するのですが、結局長くは続かず、体の良い断り文句で参加を見送り、あとは緩やかにフェードアウト…。
残念ながら、さまざまなジャムセッションの裏側で、よく見かける光景です。
「ざんねんなジャムセッション」の特徴
それでは、そのような「ざんねんなジャムセッションイベント」はなぜ起こるのでしょうか。
以下、「ざんねんなジャムセッションイベント」でよく見られるパターンを紹介していきます。
仲間うちだけのジャムセッション
TwitterなどのSNSで告知を見かけて「面白そう」と思って、思い切って参加してみたものの、そこに行ってみると、明らかに仲間うちばかりで集まっており、部外者だった自分はほとんど演奏すらさせてもらえないか、あるいは演奏させてもらえても明らかにグループ内で浮いており、気まずい思いをして帰ってくる…。
ジャムセッションで嫌な思いをする一番多いのが、これ。
要は、ジャムセッションの集まりが既存のコミュニティとしてカッチリと成立してしまっており、その絆があまりに強すぎるがゆえに、新たな仲間が入るすき間が作られていないパターンですね。
このブログでも定期的に問題提起をしている「仲間うちライブ」と同様の課題を抱えているといえるでしょう。
実力を誇示するホスト・コアメンバー
ジャムセッションの集まりがあると、そのグループにおいて、幹事を務めるホストのほか、運営等の中心的な役割を担うコアメンバーが存在するのは、ごく自然なことかと思います。
ただ、このホストやコアメンバーというのは、ジャムセッションに熱い思いを持っているからこそのホスト等になるわけなのですが、それゆえに多くの場合、演奏スキルが非常に高い、実力者であることが多いもの。
もちろん、ホストやコアメンバーが実力者であることも全然悪い話ではないのですが、厄介なのがそのホスト・コアメンバーが、実力を誇示するようなプレイを連発し、初心者~中級者をひるませてしまう事例が、往々にしてあること。
ジャムセッションに慣れていない初心者はもとより、ある程度の経験があっても初参加のジャムセッションにおいては、「うまく立ち回れるかな」と不安になってしまうものです。
そうした中で、運営責任者であるホストや、会を仕切るコアメンバーに、実力を見せびらかすようなプレイをされると、初参加者は「こんな会に自分が来ていていいのだろうか」と不安が一気に増幅し、次から参加しようと思う意欲が一気に失せてしまいます。
多くの場合、当該ホストやコアメンバーには悪気がないパターンがほとんどなだけに、この事象、本当にもったいないと思います。
実力誇示プレイヤーはベーシストが多い
余談ですが、私の経験上、ジャムセッションにおいて実力を誇示しがちなのは、圧倒的にベーシストが多いです。
ベーシストにとっての花形プレイであるスラップが、ジャムセッションで演奏されるジャンルと相性が良いが故なのでしょうが…その演奏で周りの初参加者たちがたじろいでいる状況に気づけていないのは、本当に残念です。
実力あるホスト・コアメンバーは裏方に接しましょう
思うに、幹事的な役割を担う実力派のホストやコアメンバーは、ジャムセッションイベント時に「自分は演奏せずスタッフに徹する」くらいのつもりでいる方が、結果としてイベントは上手く回るのではないでしょうか。
実力を誇示したければ、ジャムセッションイベントではなく、きちんとしたライブで披露した方が、本人にとっても周囲にとっても幸せなことだと考えます。
「自分がいい格好をしたい」わけではなく「多くの人とジャムセッションの楽しさを共有したい」というのがイベントの主目的なのであれば、裏方に徹した方が、イベント運営的にも、参加者の心情に配慮する上でも、絶対にベストです。
ここに気づき、適切な対応ができるかどうかが、「本当にジャムセッションを広めたい人」なのか「単に自分の実力を誇示したいだけの人」なのかの分かれ目なんだと思います。
Twitter・YouTubeのテクニック自慢動画も逆効果
また、こうした実力誇示系ジャムセッションのコアメンバーが、TwitterやYouTubeに、自らの演奏テクニックを披露する動画を掲載している事例も多々見られます。
もちろん、プレイは大変素晴らしく、その動画を見ることで学べる要素は非常にたくさんあるのですが…ジャムセッションのホストやコアメンバーという立場で、そうしたプレイ動画を上げることは、残念ながら逆効果です。
参加するか否かを迷っているような参加者が、その動画を見たときの反応は、コアメンバー側は、
というのを期待しているのかもしれませんが、実際はむしろ逆で、
…と、こっちの方です。
とにかく、凄腕プレイヤーの実力誇示は、ジャムセッションの敷居を必要以上に高くします。イベント中のみならず、ネット上でも留意が必要な点ですね。
TwitterにせよYouTubeにせよ、動画で実力を誇示するのであれば、個人とジャムセッションとで、アカウントを分けて運用することを、強くオススメします。
初心者に罵声を浴びせるベテラン勢
ジャムセッションの経験が長いベテランのプレイヤーがいる場合、そのベテランさんはジャムセッションにこだわりをもって演奏されていることが多いもの。
ですので、ジャムセッションに同席する他パートのプレイヤーにも、非常に厳しい視線を送ることが多く、自分の気に入らないような演奏やグルーヴがあったりすると、平然と罵声を浴びせるような光景もしばしば見かけます。
もちろん、演奏について技術的な助言を受けることで、プレイヤーとしてのさらなる成長につながるようなものであれば、これぞジャムセッションのあるべき姿といえるのでしょうが、実際はそうではなく、むしろ単なるパワハラみたいになっている情景すら存在するほど。
ちなみに、私はそうした光景を、ライブバーのイベントとして行うジャムセッションで見かけたことがあります。若手ベーシストに罵詈雑言を浴びせている年配のベテランギタリストを見たときに
と、その場をそっと離れたものでした。
仮にその人が意を決して初参加したジャムセッションがあれだったら、おそらくトラウマになり、もう二度とジャムセッションには参加しなくなるのでは…と思えるような光景です。
このような、参加者に不快な思いをさせるベテランプレイヤーに、いかに人としてのマナーを教えるか、あるいはそれが困難なのであればイベントから手を引いてもらうか…非常に難しいことではあるのですが、これを「難しい」と諦めているうちは、いつまでたってもジャムセッションイベントが初心者に開かれることはありません。
もはや霊感商法?スピリチュアル・自己啓発セミナーに似たジャムセッション
ジャムセッションというのは、前述のような理由から、多くのプレイヤーにとってニーズがあり、それゆえに一定の集客力のあるイベントになっている面があります。
そうした中、ジャムセッションイベントのホストになって、そうした集客力を目の当たりにすると、たまに何やら自分の存在がずいぶんと偉くなったかのように勘違いして、大上段から構えたような崇高な話を始めてしまうようなことがあります。具体的には、
- 今まで自分はダメな人間だと思っていたが、ジャムセッションに出会って自分は変われた
- ジャムセッション初心者も私がいれば大丈夫
- ジャムセッションに取り組むと心身ともに健康になれる
- ジャムセッションにお金をかけても後から回収できる
…といった具合です。
本人は結構真剣にこういうことを信じているところがあり、ご本人にとってはそれが真実なのかもしれませんが、実はこういう話、第三者的に聞かされると、かなりの怪しさを感じます。
良いたとえではありませんが、たとえばこれ、「ジャムセッション」の部分を「壺」に置き換えてみると、あっという間に霊感商法の完成です。
また、最近は、SNS等で活躍するインフルエンサーと呼ばれる人たちが、前述のような言葉を広告文句にして高額な情報商材を買わせたり、あるいはオンラインサロンに加入させたりするようなビジネスも横行しており、これらに対する批判の声も強まりつつありますが、前述のような宣伝文句は、こうした自己啓発セミナーのようなオンラインサロンなどにおいても常用されているもの。
ジャムセッションの効用は決して否定されるものではなく、むしろ私も音楽好きとして好意的に見ているのですが、だからこそ、こうしたスピリチュアルな、あるいは自己啓発セミナーにも似たような雰囲気を醸し出してしまうと、予断のない参加者であればあるほど「このイベント、何か怪しそう…」と思って忌避してしまう傾向が出てしまいます。
ホストが「裸の王様」になってしまう…
これ、本当は誰かが諫言してあげないといけないと思うのですが…多くの場合、この手のジャムセッションイベントは、冒頭の「仲間うち」イベントか、あるいは経験・実績ともに十分な「ベテラン」のイベントであることがほとんどであり、それゆえに、誰も意見できず、気が付けば当該ホストが、裸の王様的になってしまっている場合も多々あるようです。
これも、本人の意に反してジャムセッションイベントを近寄りがたくしてしまっているという点において、大変もったいない話だと感じます…。
ぜひ進言を、そして場合によっては専門家への相談も…
スピリチュアルな要素をはらむジャムセッションイベント、これは本人が気づくことは困難です。あるいは、気づきつつも、自らにとって都合の悪い真実なので、そこに見て見ぬ振りをしてしまうことも、往々にしてあります。
周りの方、ぜひ、進言してあげてください。
なお、進言した結果の反応如何によっては、精神面でのケアが必要だと思われる状況も想定されますが、そのような局面は、もはや音楽以前の問題です。必要に応じて、専門家への相談も、視野に入れる必要があるかもしれません。
【まとめ】「ざんねんなジャムセッション」を良くするために…
このように、今回の記事では、最近さまざまなところで見かけるジャムセッションイベントについて、「参加しづらい」とか「参加して嫌な思いをした」とかいうような話を多々聞くことから、そうしたイベントを「ざんねんなジャムセッションイベント」と位置づけ、その中身について整理してみました。
今回、「ざんねんなジャムセッション」については、
- 仲間うちだけのジャムセッション
- 実力を誇示するホスト・コアメンバー
- 初心者に罵声を浴びせるベテラン勢
- スピリチュアル・自己啓発セミナーに似た空気
といった、4つの特徴を上げさせていただいておりますが、これら4つの特徴を有するジャムセッションイベントは、そのいずれもが「ジャムセッションを楽しみたい」「楽しいジャムセッションを多くの人と共有したい」という思いを有するメンバーで構成されていることは、疑いようのない事実かと思います。
ただ、そうしたジャムセッションに対する思いがあるがゆえに、つい取ってしまう行動が、実は本人の思いとは裏腹に、ジャムセッション初心者を遠ざけてしまったり、あるいは敷居の高さを感じさせたりしてしまっているのが、実情だと思います。
これは別にジャムセッションに限った話ではありませんが、熱い思いを伝えたいと思うとき、その思いを熱く語ることは必ずしも最適解だとは限りません。むしろ、その熱さが人を遠ざけてしまうことも、往々にしてあるものです。
自分の発言・行動・演奏が、ジャムセッション初心者に対してどのように見られているか…これを、自分の思いとは切り離して冷静に見ることが、結果的には一番、ジャムセッションの敷居が低くなることにつながると思います。
「ざんねんなジャムセッションイベント事典」などというものが作成されなくなることを願いつつ、今回の記事はここまでとしたいと思います。
「初心者に優しくないイベントやプレイヤーの問題点」という、類似の論点で考察した記事は他にもあります。ぜひ、合わせてご覧ください。
そういったときは、楽器店の下取りに持ち込んでも良いのですが、やはり重たい楽器ともなると、持って行くのも少し面倒だったりするもの。
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