本日は、USA製フェンダーのフラッグシップ、American Ultraシリーズから、プレシジョンベース(プレべ)についてレビューさせていただこうと思います。
- フェンダー・American Ultra Precision Bass の評価・口コミが聞きたい
- アメリカン・ウルトラのプレベにどんな特徴があるか聞きたい
- アメリカン・ウルトラのプレベのサウンド面における特徴を知りたい
- アメリカン・ウルトラのプレベとライバル関係にあるベースを知りたい
もくじ
フェンダー渾身のフラッグシップ!
先日、当ブログでもご紹介させていただいた、USA製フェンダーのラインナップ、American Ultraシリーズ。旧のAmerican Elite(アメリカン・エリート)シリーズを正当進化させた、現代的なギター・ベースです。
ギター、ベースともに、フェンダーの主要楽器をほぼ網羅するようなラインナップの中で、S-1スイッチを活用した多機能さ、ノイズレスピックアップによるローノイズな仕様など、根底を流れるような設計仕様は共通している、今回のAmerican Ultraシリーズ。
ギター、ベースともに非常に魅力的ななのですが、まずは今回、プレベから行ってみましょう!
American UltraのプレベはPJ仕様&アクティブ!
ということで、このAmerican Ultraシリーズのプレベ。
まず、ぱっと見たときに最初に目に入るのが、普通の1ピックアップではなく、リアにジャズベタイプのピックアップを搭載した、いわゆるPJタイプであること。
このあたりは、前身のAmerican Eliteでもそうだったのですが、要はフェンダーとしてはモダンなラインナップにおいてはPJスタイルをとっている、ということですね。
そして、これもEliteシリーズからの流れですが、アクティブタイプとなっており、18Vプリアンプを内蔵しています。
トラディショナルなプレベというと、1ピックアップであるがゆえの素朴で骨太な音、というのが大きな特徴ですが、こちらはかなり進化してきている印象を受けますね。
外形もプレベだが…弾きやすさは格別
そして、ピックアップ以外の外形についても、基本的にはプレシジョンベースのそれなのですが…実際に手にしてみると、従来型のプレベとは大きく異なる印象を受けます。
これにもっとも強く影響しているのが、新設計のボディコンター。これまで以上に工夫されたボディコンターのおかげで、まさに身体に吸い付くというか、身体と一体化したかのような感覚で、ベースを手にすることができます。
また、ハイフレット部分のヒールカットも手が込んでおり、演奏性は抜群。通常のプレベであれば、あまりハイフレットでテクニカルなフレーズを弾くことはないかもしれませんが、これであれば、ベースに導かれて自然にハイフレットへ指が駆け上がっていくような気がします。
加えて、指板についても、ローフレットにおいては丸みを帯びた形になっている一方、ハイフレットになるとフラットになっていくという仕掛けになっており、しかもそれが非常に自然な感じで加工されているので、弾き手はそれを意識することなく、素晴らしいプレイアビリティを味わうことができる、ってわけなのです。
なお、プレベというと、ネックの太さが気になる人も多いかと思いますが、このAmerican Ultraシリーズについては、かなりスリムです。また、弦高もかなり低くセットされており、女性にもオススメできる扱いやすさですね。「これ、本当にプレベですか?」と思ってしまうほど。
そういった意味では、良くも悪くもトラディショナルなプレベらしさというのは、このベースにはあまりないかもしれません。
サウンドバリエーションは超豊富
そうそう、このベースは電装系にも特徴があります。
前述のように、基本的にはこのベースは、18Vプリアンプを搭載したアクティブタイプなのですが、ボディ本体にあるミニスイッチでアクティブ⇔パッシブの切り替えが可能です。
アクティブのときは、3バンドイコライザーで積極的な音作りが可能。ドンシャリサウンドから、ミドルを強調したサウンドまで自在に手元でコントロールができます。
そして、パッシブのときには、別途用意されたマスタートーンが使えます。これにより、トーンを絞ったプレベらしいサウンドというのも奏でることができます。
アクティブ・パッシブ切り替え、それぞれのときのサウンドコントロール、そしてPJベースであることを活かしたピックアップの選択(バランサーがついています)により、手元だけでも、かなりサウンドバリエーションを豊富に用意することができるってわけですね。
サウンドは…超好印象!プレベを軸にしたモダンなサウンド!
さて、そんなAmerican Ultraシリーズのサウンド。
現在、フェンダーは、先日エンドースメント契約を締結したLUNA SEAのベーシスト、Jさんがこのベースを弾いている動画でサウンドをPRしています。
J Plays The American Ultra Precision Bass | American Ultra Series | Fender
少し聞いただけで、シンプルに「かっこいい!」と思える、パワフルなサウンド。これがAmerican Ultraシリーズのプレベの最大の特徴かもしれません。
通常のプレベであれば、やはりどこかサウンドにモコモコとしたところを感じてしまいますが、リアにジャズベのPUが搭載されていることで、音の明るさがここに加わり、18Vプリアンプでそれらの音がしっかり味付けされることで、このパワフルなサウンドが作り出される印象です。
この骨太なサウンド、ロック系ベーシストの方は一発で魅了されてしまうことでしょう。
一方で、指弾きで上品なサウンドを奏でたりするのも、プレベが持つ「もう一つの顔」ということで、気になるところですが…
American Ultra Precision Bass | American Ultra Series | Fender
こちらも、プレベらしい温かい音がしっかり出せており、とても好印象です。現代的なサウンドは、ややもすればハイファイすぎて、たとえば古き良き洋楽のカバーなどには少し持ち込みにくいところがあるのですが…こういうサウンドにも対応できてしまう懐の広さが、また魅力的です。
そして、スラップのサウンドは、プレベとジャズベの中間、くらいの感じですね。プレベのクセは良くも悪くも除却されており、汎用性の高いサウンドを求めているのであれば、これくらいがちょうど良いのかもしれません。
価格は26~27万円…アメエリより少し安い?
さて、そんなAmerican Ultraのプレシジョンベースですが、市場価格は26万円~27万円程度におさまっている印象です。
前身のAmerican Eliteシリーズは、ほぼ30万円というイメージがあっただけに、25万円強くらいに収まっているこのAmerican Ultraシリーズは、少しではありますが安くなった印象ですね。
もっとも、そこはフェンダーのフラッグシップラインナップ。「お手頃」とは言わせないプライスではあります。
American Performerプレベとは…格が違う?
さて、同じフェンダーのPJタイプでいうと、アメリカン・パフォーマーシリーズのプレベも、PJタイプだったりします。
実売価格15万円前後と、26~27万円前後なので、さすがにここは格が違う印象ですね。
なお、同じPJタイプといっても、American Performerシリーズの方が、少しネックも太く、そしてパッシブタイプだったりもするので、伝統的なプレベにより近いのは、こちらかもしれません。
意外?ヤマハBBP34と競合する?
そして、これくらいの価格帯におけるPJタイプというと、実はヤマハBBシリーズの最上位、BBP34とも競合してくるような印象を受けます。
アクティブ・パッシブの切り替えなどで多彩なサウンドを誇るAmerican Ultraと、日本製らしいきめ細かい作りで、上質なサウンドを作り出すBBP34。
コンセプトは大きく異なりますが、 プレベの良さを、ジャズベのリアピックアップで引き立てるPJベースであるという点は同じ。
2つを並べて弾き比べてみると、意外な発見があるかもしれません。
【まとめ】フェンダーが考える、プレベの現代的な進化形!
このように、このAmerican Ultra Precision Bassについては、先代のAmerican Eliteに続き、フェンダーが考えるプレベの現代的な進化形を、しっかりと具現化してきた印象を受けます。
サウンドの多彩さ、そしてプレイアビリティの高さは本当に特筆もので、これだけの扱いやすい楽器でプレベのサウンドを出せる…それも相当に進化した形で、というのは、かなり魅力的に感じられるのではないでしょうか。
最近のフェンダーの新商品は、どれも本当に魅力的です。見ているだけで欲しくなり、そして音を聞くと、ますます欲しくなってしまう…。
本当に、すごい楽器です。
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