実は、地域の音楽イベントの運営に携わったことがあります。
そのとき、面白くもあり、そして悩ましくもあったのが、「どのバンドを出場するかを審査・選考する」という手続き。
自分自身も、アマチュアプレイヤーとしての活動をしていたので、「自分より上手なバンド・ミュージシャンを、自分なんかが審査していいものか」とすごく悩みましたが、立場上、そこは割り切って対応することにしました。
そうして、自分なりに真剣に審査に向き合う中で、いくつか気づいた、バンド選定のポイント。これらは、出場するバンド・ミュージシャンの立場に立ってみると「審査を突破するコツ」でもあると思うので、少しでも参考になればということで、ここに書いてみようと思います。
- 地域の音楽イベントにおける審査基準を知りたい
- どのようなジャンル・形態が有利で、不利なのかを知りたい
- 地域の音楽イベントでアコギ弾き語りが不利な理由を聞きたい
- 自分が音楽イベントの出場者審査をするときの視点を教えてほしい
もくじ
実力は大事だけど一定水準を超えていればOK
もちろん、運営者側の立場としては、音楽イベントを成功させるために一番重要だと考えているのが「良いバンドに出場いただくこと」。ですので、バンドの実力が一番大事であることは言うまでもありません。
ただし、ここに言う「実力」の定義はなかなか難しいのですが、運営の立場からしてみると、「お客さまにきちんと聞いていただける」だけの一定の完成度に達していれば、そこから先は「+α」でしかないように感じるのも事実。
つまり、実力がどんなに高くても、他にマイナス要素がいくつかあったり、あるいはその実力が運営に伝わらないようなエントリーの仕方をしていると、意外と実力派バンドでも落ちたりすることがあります。
音源は運営サイドが希望する形での提出を
出場バンドを審査する際、関係者が一堂に会して候補バンドの音源を聞きながら検討を重ねるわけですが、この音源を入れ替える作業が、実は結構手間だったりします。
私が携わったイベントでは、音源は原則としてYouTubeに掲載していただく形としつつ、それが困難な場合はCD提出も可という形にしていました。
なぜこの形を原則化したかというと、それは審査室においてパソコンで音源を鳴らしていたため。余計な周辺機器を繋ぐことなく、ネット環境さえあれば簡単に音源を切り替えていくことのできるYouTubeは、作業効率を考慮する上では当然の選択でした。
ただ、たとえば年配の出場者などで「インターネットへの音源の上げ方が分からない」という方もいらっしゃり、そういった方の思いを入口から閉ざしてしまうのも不適切と考えたので、CD提出などの道も残していたのですが、やはり現実問題として、事務的には面倒さを感じたのも事実。
てことは…不利に働く可能性も、否定はできないということなのです。
なお、逆にCDで審査しきる体制を確立しており、Webでの音源提出を認めていないパターンもあると思います。この場合は逆に、しっかりCDを作り込んで提出しないといけません。
いずれにせよ、募集要項などから、運営の審査体制を想定し、できるだけ運営の手間にならないように音源を提出すると、少しだけ有利に働く…あるいは、不利になる事態を回避できるのではないかと思うわけです。
公序良俗に反するパフォーマンスは危険!歌詞や楽曲名にもご注意を
地域の音楽イベントは、「音楽を通じた地域の活性化」という、言うなれば非常に健全な理念のもとに運営されていることが一般的です。
そして、その健全さを裏付けるかのように、公的機関からの後援を受けていたり、あるいは場合によっては補助金の給付やボランティアの動員などを受けていたりすることもあります。
ですので、こういったイベントでは、公序良俗に反するパフォーマンスは御法度。たとえば全裸になる、ものを壊す、過激・不適切な言動をするおそれがあるとみなされたバンドは、たとえどんなに実力が高くても落とされてしまうでしょう。
また、歌詞や曲のタイトルにおいて、過激な事案を想起させるような言葉が入っていると、審査は相当不利になります。特に公的なイベントの場合、たとえば「子どもがそれを見て大丈夫か」という視点で審査されますので、この手の表現に対するハードルはかなり高いでしょう。
加えて、右・左を問わず、政治的な主張を盛り込んだ歌詞を歌うことや、宗教に関することを歌うのも、主催者側にはあまりよく思われない可能性が高いです。
とりわけ、公的機関が後援を出している場合、その条件として「政治的中立性」が掲げられているのが一般的ですので、少しでもリスクがあると感じられる場合、出場をご遠慮いただく方向で検討するのは、「無事にイベントを成功させたい」と考える場合、ごく自然な行動パターンだと思います。
なお、これはあくまで地域のイベントに特化した議論であり、こうした表現が許される…あるいは積極的に評価される場が存在することも事実です。
地域のイベントでハードロック~メタルは不利
一般に、ハードロック~メタル系バンドというのは、プレイヤーに高度な演奏スキルが求められるため、実力面においては十分な水準に達していることが多いです。
ただし、地域の音楽イベントにおいては、これらの音楽に必須である「大音量」が近隣への配慮の観点から使えなかったり、低音を強調したサウンドが苦手だというお客さんが多かったりするなど、必ずしも「万人受け」しないジャンルであるのも事実。
ですので、「最大公約数」を求めないといけない地域の音楽イベントでは、正直、不利に働きます。
とはいえ、PA面や周辺への配慮ができている音楽イベントももちろんあり、そういった場では、ハードロック~メタルも、しっかりお客さんに聞いていただけます。
このあたりは、あくまで一般論として聞いていただければいいと思います。
カラオケスタイルのソロシンガーは圧倒的不利!
最近、ライブハウスでも割と見かける、ソロシンガースタイル。ソロシンガーというと聞こえはいいですが、カラオケ音源をバックに歌うタイプのシンガーさんは、はっきり言うと、非常に不利です。
というのも、音楽イベントのスタッフというのは、得てして自分自身が何らかのプレイヤーであることが多く、生演奏のグルーヴ感にこだわりがある人が多いもの。
ですので、カラオケをバックに歌を歌うという行為のみをもってライブを行うことに、はっきり言って抵抗があるのです。
実際、私が携わったイベントにおいて、CD音源を聞く限りにおいて圧倒的歌唱力を有していながらも、当日の演奏がカラオケになるというシンガーさんにつきましては、残念ながら、全会一致で落選通知を発出いたしました。
シンガーさんにとっては厳しい現実かもしれませんが、それだけ、音楽イベントにおける生演奏には、こだわりがあるのが事実だと思います。
なお、この点は、1本でも生演奏楽器があると、大幅に抵抗感が緩和されますので、ソロシンガー系の人は、ぜひご検討ください。
アコギ弾き語りは好印象だが競争率が高い
この手のイベントに応募してくることが多いのが、「アコースティックギターの弾き語りスタイル」。演奏面も歌唱力面も抜群の実力者が揃うことも多々あり、安定感があります。
ただし、このアコギ弾き語りは、どうしても音楽的なバリエーションが狭くなり、この系統のミュージシャンを多数出場させると、全体的な雰囲気が単調になってしまうという弱点があります。
私が携わったイベントにおいても、応募の約2/3がアコギ弾き語り系に集中したことがありました。皆さん、非常に上手だったのですが、あまりにもアコギ弾き語りばかりになってしまうと、やはり飽きがきてしまうので、残念ながら、実力とは違う観点から、何名かのミュージシャンの方に落選通知を出さざるを得ませんでした。
カホンがいるバンドは訴求力が高い!
地域のイベント…とりわけ、商店街の一角で合法的に行うストリートライブなどの場合、近隣への配慮といった運営の便宜上、ステージへのドラム設置が省略されることが多いです。
このようなイベントが多く存在することが、アコギ弾き語り系のミュージシャンを増産している要素があるのかもしれませんが、一方で、リズム系の楽器がいない音楽は、やはり前述のように単調になってしまいます。
そういった、ドラム不在のイベントにおいて強力な味方になってくれるのが、カホンの存在。ロック系に生きていると知らないことも多いこの楽器、うまく使うとドラム的に鳴らすことのできる、とても便利なパーカッション楽器です。
これがあると、アコースティック弾き語り系の音楽にも、かなりの華を添えることができます。ここにベースを入れれば、ちょっとしたポップスバンドも組めてしまいますね。
この編成なら、PA的にもコントロールしやすく、非常に好印象です。
まとめ…とにかく場の空気に合わせたエントリーを
以上、自分の経験に基づいて、出場バンド・ミュージシャンの審査を行うときに気にかけていた項目を、主にネガティブ面を中心に記載してみました。
おおむね、公的な音楽イベントでは一般論かな、と思いますが、それゆえに少し息苦しさを感じた方もいらっしゃるかもしれません。
もちろんこれは、一定公的なイベントであるがゆえに生じるレギュレーションであることが多いので、そうでないイベントであれば、もっと緩やかに、自由に表現を楽しむことができます。
結局、中盤でも書きましたが、この手の話の時に大事なのは「場の空気を読む」こと。あるいは「TPOをわきまえる」ことにあるのかもしれません。
少しでも多くの人に自分たちの音楽を聴いてもらうためには、たくさんのイベントに出場することが近道の1つ。
少しでも、これを参考に、さまざまなイベントにエントリーをしていただければ嬉しいです。
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