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アコースティックギター

【レビュー】Martin LX1・LX1E お手軽な「リトルマーティン」、その実力は…?

本日は、「リトルマーティン」の愛称で親しまれている、マーティンのミニアコースティックギター「LX1」と、そのエレアコ版である「LX1E」についてレビューさせていただこうと思います。

この記事はこんな人にオススメ
  1. リトルマーティンの評価・口コミが聞きたい
  2. LX1とLX1Eの違いを教えてほしい
  3. HPLを使ったギターのサウンドについて知りたい
  4. ミニギターが欲しいが、おもちゃみたいなのはイヤだ
  5. 気軽に弾ける、本格的なミニギターが欲しい

一般的なミニギターとは格が違う!

アコースティックギター業界において、ギブソンと並んで「王者」として君臨するブランド・マーティン高級感あふれるルックスに繊細なサウンドが特徴的なそのギターは、多くのギタリストをとりこにしてきました。

そんなマーティンのギターを、コンパクトなミニギターとして登場させたのが、いわゆる「リトルマーティン」、LX1と、そのエレアコ仕様であるLX1E。

いわゆる「ミニギター」については、さまざまなメーカーから多数リリースされており、価格も安いものでは1万円前後と、非常にお手頃なものもありますが、これらは普段からアコースティックギターに親しんでいる者にとっては、ルックス・サウンドともに、どうしても「おもちゃ」の域を出ない…というのが正直なところ。

かとうたかこ
かとうたかこ
安いミニギターの鳴りって、音が軽くて、正直「楽器」という感じがしないんですよね…。

そんな中、この「リトルマーティン」は、さすがマーティンブランドといったところで、作りもしっかりしていますし、サウンドも後述しますがかなり本格的。

まがりなりにもヘッドに「Martin」のロゴを冠するギター。そこはかなりプライドをもって作っているように感じます。

特殊な木材「HPL」とは

さて、このリトルマーティン、まずはボディの木材を見ていきましょう。

トップはシトカスプルース単板で、サイドとバックには「HPL」と呼ばれる人工木材を使用しています。

この「HPL」とは「ハイプレッシャー・ラミネート」の略でして、廃材を固めて作った合板のこと。感覚としては木材というよりむしろ樹脂に近い性質のようなもので、ここに木目調のプリントを貼ることで、外見上は一般的なアコースティックギターと全く遜色がないように仕上がっています。

このほか、ネックは「バーチラミネート」という合板、指板には「リッチライト」という人工的に作り上げたエボニーの代替材を用いています。

全体的に、人工的に作り上げた素材をふんだんに使うことで、マーティンブランドを冠しつつ、コストカットに成功しているような印象ですね。

小さくても超本格的!マーティンらしさも十分

さて、そんなリトルマーティン、サウンドの方はいかがでしょうか。

とてもミニギターとは思えないほどの、低音から高音までがしっかりと鳴りきる、本格的なサウンドがこのサイズから出ていることが、よく分かります。

また、マーティンのアコースティックギターの特徴である、高域にきらびやかさを帯びた繊細なサウンドというのは、このリトルマーチンでも健在です。

ミニギターというのは、ボディサイズが小さくなることによるサウンドの小ささ・薄さが、そしてスケールが短くなることによるチューニングの甘さなどが気になるところですが、このリトルマーティンは、作りが非常にしっかりしているため、そのあたりのウィークポイントを感じることは、ほぼありません。

「サイズが小さくなっただけで、ちゃんとしたアコギ」 という印象です。このあたり、文章や動画だけでは十分に伝えきれないところなので、ぜひ実際に楽器屋さんなどで手に取って、そのクオリティを感じていただきたいと思います。

HPLの影響?鳴りが少し物足りないと感じる面も…

一方でこのギター、基本的なクオリティが高いがゆえに、

あれ?もう少し鳴っても良さそうなのに、どこか抜けてこない感じがするな

という物足りなさを感じてしまうところがあります。

もしそれを感じたとしたら、その原因は、先ほど述べた「HPL」という素材の影響が非常に大きいです。

このHPLという素材は、先ほど申し上げたように、性質的には木というよりむしろ樹脂に近く、アコースティックギターならではの「木の生々しい鳴り」までもを完全に再現するには至れていないようです。

なので、「しっかり鳴っているようで、どこか音抜けが物足りない」という印象につながってしまうのです。

ただし、このHPLはサウンド面においては物足りなさにつながってしまいますが、一方で「頑丈」というメリットがあります。

木のような繊細さがないがゆえに、屋外にも気軽に持ち出せますし、取扱いにもそれほど注意をしなくても良くなります。

ミニギターというのは、いつでもどこでも、気軽にガシガシ弾けるところにその存在意義がありますので、この「頑丈さ」は、その用途に着目すると、むしろメリットだと言えるのです。

なお、この「木の鳴りの弱さ」ですが、エレアコとして使うとその弱点を一定克服することが可能であるとも感じます。搭載されるピックアップは、フィッシュマンのsonitone(ソニトーン)。

少しでもエレアコとしての使用可能性があるのであれば、「LX1E」の方を選ぶことを強くオススメします。

価格は超お手頃!この価格でマーティンが手に入る!

さて、このリトルマーティン、価格面ですが…

  • LX1:おおむね5万円強
  • LX1E(エレアコ):おおむね6万円台後半

あたりが相場になっています。一般的なマーティンのアコースティックギターと比べると、かなり安いです。サイズの小ささ、メキシコ製、HPL材をはじめとした人工素材の活用によって、この戦略的な価格を実現してきた感じですね。

なお、楽器屋さんの入口付近に並べられているような1万円前後のミニアコギに比べると随分と高く感じますが、さすがに楽器としての格が違うのでそこは比較対象にすべきではありません。

憧れのマーティンが5万円で買える」。注目すべきポイントはこちらですね。

【まとめ】お手軽マーティン!外に持ち出してガンガン弾こう!

このように、今回ご紹介したリトルマーティン(LX1、LX1E)は、あのマーティンブランドを冠したミニギターなわけですが、そのクオリティはまさにマーティンそのもの。憧れのマーティンを5万円程度で手にできるというコストパフォーマンスも含めて、圧倒的な商品力を誇るギターです。

HPLをはじめとした人工素材の活用により、アコースティックギターならではの「木の鳴り」に少し物足りなさを感じる向きもあるようですが、一方でそれゆえに手にできた「頑丈さ」は、このギターの活用方法である「いつでもどこでも、気軽に弾く」という点において、大きなメリットとして評価できる要素もありそうです。

憧れのマーティンを、お手頃価格で、気軽に弾ける。これこそが、「リトルマーティン」の最大の存在意義だと言えるでしょう。

 

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