L’Arc〜en〜Cielのベーシスト・tetsuya氏。
今やわが国を代表するバンドの1つといっていい、L’Arc〜en〜Cielのリーダーであり、サウンドのボトムを支えるプレイヤーであり、さまざまなヒット曲を生み出すコンポーザーでもあります。
本日は、そんなtetsuya氏がL’Arc〜en〜Cielの楽曲で奏でてきたベースラインを見ながら、彼のプレイから学べるものを読み取ってみようと思います。
- tetsuyaのベースラインの特徴を知りたい
- オススメのtetsuyaベースラインを聴いてみたい
- tetsuyaのベースをコピーするコツを知りたい
- tetsuyaのベースを弾くときのオススメ楽器を知りたい
もくじ
ベーシスト・tetsuyaの特徴
tetsuya氏のベースプレイの特徴は、どのような点が挙げられるでしょうか。まずはここを、ざっと概観しておこうと思います。
スライド・グリス(グリッサンド)を駆使した「歌うベースライン」
ラルクのベースと言えば、やはりこういうプレイを思い浮かべる人が多いでしょう。
スライドやグリッサンドを巧みに操り、音にうねりを加えながら、1オクターブ以上の音域を大きく動くベースライン。
その流麗なプレイは、「まるで歌っているかのよう」と評されるほど美しいものであり、ややもすれば淡々とビートを刻むことに徹しがちなベースプレイとは対極に位置するような、これまでのベーシストの常識を大きく覆すようなプレイスタイルです。
細かく音を動かす「踊るベースライン」
スライドやグリッサンドでサウンドにうねりを加えるようなベースラインだけでなく、細かな音の動きでグルーヴを作り出すようなプレイスタイルも、tetsuya氏の得意とするところ。
細かく、正確なその音の刻みと、そこから生み出されるノリは、時として非常にダンサブル。hyde氏の美しいヴォーカルや、ken氏の幻想的なギタープレイ、yukihiro氏のタイとなドラムサウンドと絡み合って、ラルクの楽曲にリズム感や疾走感を生み出してくれています。
6弦ベースでソロを弾く「奏でるベースライン」
初期は4弦、中期以降は5弦ベースをメインに操るtetsuya氏ですが、楽曲によっては6弦ベースを用いることがあります。
ただし、ここに言う6弦ベースは、一般的な「Low-B、Hi-C弦を加えた6弦ベース」ではなく、高音側に2本の弦を追加した、ギターと同じチューニングになる6弦ベース。彼はフェンダーのBass VIを愛用することでも知られていますが、まさにそれと同じような使い勝手ですね。
この、ギターと同じチューニングである6弦ベースの特性を活かして、高音弦でギターソロのようなベースプレイをすることもあります。
この曲のベースラインを学ぼう!
それでは、前述のようなtetsuya氏の特徴を踏まえた上で、いくつか、具体的な楽曲で彼のベースラインについて見てみようと思います。
縦横無尽に指板を駆け巡る「虹」
ラルクの代表曲といって良いでしょう、バンド名を日本語に訳して楽曲のタイトルに掲げた「虹」。ギターサウンドを前面に押し出した、ハードさと繊細さを両立するバラード。
この楽曲内では、とにかくベースが縦横無尽に動き回り、楽曲のドラマティックな展開を演出しています。
個人的には、Aメロの穏やかな雰囲気の中で流れる、大きくスライドしながら1.5
オクターブ程度の音域を自在に行き来するベースラインが最高に好みです。
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スライドで疾走感を演出!Driver’s High
tetsuya氏が作曲し、ラルクの代表曲の1つとも言って良い、Driver’s High。カーチェイスのPVも非常に印象的な楽曲です。
この曲は、そのタイトルから想起させるとおり、非常にアップテンポで疾走感あるれるナンバーに仕上がっていますが、その疾走感を演出しているのが、tetsuya氏のベースライン。
スライドを巧みに活用して、楽曲全体に疾走感を生み出したり、タイトな8ビートを刻んでダンサブルな雰囲気を醸し出したりと、この楽曲全体を疾走させているのが、まさに彼のベースプレイだったりするのです。
この楽曲のベースプレイのみどころは、イントロ後半、スライドをふんだんに使って楽曲のイメージを形作っているところでしょうか。
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細かく動くベースが作り出すグルーヴ!The Fourth Avenue Cafe
実は私、この曲がラルクで一番好きなんです、The Fourth Avenue Cafe。
割とアップテンポな曲ではあるのですが、その中に漂う切ないメロディ、そしてピアノやホーンセクションが絡み合うゴージャスな編成、緩急ある楽曲の展開…こういったドラマティックな楽曲を支えている、細かい音の動きでグルーヴを支えるベースライン。
思えば、tetsuya氏のベースプレイは、ドラマーがyukihiro氏に変わる前後…アルバムで言うと、この曲が収録されたアルバム「True」と「HEART」の前後でベースプレイが結構異なる印象がありますね。
HEART以降は、スライドで楽曲にうねりを与えるベースラインを前面に打ち出してくる一方で、Trueまでは、こういった細かく動くベースプレイを得意としている…。
そんな初期ラルクの妙味とも言えるベースを、お楽しみ下さい。
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5弦ベースでボトムを支える!MY HEART DRAWS A DREAM
tetsuya氏は、中期以降は5弦ベースをメインに活用するようになりましたが、その5弦ベースの低音を活かしてボトムを支えつつ、その中で彩りを与えるようなフレーズを奏でるベースラインが、このMY HEART DRAWS A DREAM。
縦横無尽に動き回るド派手なベースラインというわけではないのですが、それが逆に楽曲に重厚感を与えており、この曲の雰囲気に見事にマッチしています。
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演奏するときは、リズムのブレに注意して!
このようなtetsuya氏のベースライン、非常に格好良く、憧れている人も多いかと思いますが、このようなベースを弾くときに、1つ注意しておかないといけないことがあります。
それは、「リズムがブレないように注意する」こと。
こういった、大きく派手に動き回るベースラインを弾いているときは、音程やグリッサンドのニュアンスに意識が行ってしまいがちになりますが、ベースは本来的には、ドラムとともにリズム隊を構成する楽器。
なので、こういった歌うようなベースラインを弾く際も、まずはリズムをしっかりとキープすることが大前提。
そこを忘れて、リズムがぶれてしまうような演奏をしてしまうと、バンドサウンドになったときにまとまりを欠きますし、特にボーカルは「歌いにくい」と感じてしまいやすくなります。
そうでなくても低音で大きく動き回るベースラインは、ボーカルを幻惑して歌いにくくしてしまいがち。だからこそ、バンドの基礎であるリズムキープを十分に意識することが、こういったベースプレイの際にも重要なのです。
楽器はシグネチャー以外だとアクティブのジャズベースがピッタリ
そうそう、ラルクのコピーをするときに、どんな楽器を使うか…という話。
もちろん、過去からtetsuya氏のシグネチャーモデルはたくさんリリースされていたりするので、これを使うことが一番良さそうなものですが、中にはデザインにかなりの個性が出てしまっているものもあって、普段使いには厳しいかも…というような声があるのも事実です。
とはいえ、直近のモデルであれば、それほど極端なデザインにはなっていないので、まだ普段使いもできそうですね。
また、色味は派手ですが、スタンダードなジャズベースシェイプのシグネチャーもあります。
また、tetsuya氏はLaklandのベースを使用していることもありますが、そこからリリースされているベースでも、かなり近い雰囲気を出すことが可能です。
そのほか、シグネチャーやブランドを気にすることなく、tetsuya氏本人のベースに近いサウンドを求めていくと、たどりつくのがアクティブのジャズベース。これであれば、雰囲気を十分に出すことが可能です。
たとえば、フェンダーのAmerican Ultraシリーズのジャズベースあたりや、サドウスキーのジャズベースタイプあたりがオススメですね。
【まとめ】流麗な歌うベースラインの美しさを聞き込もう
このように、L’Arc〜en〜Cielのベーシスト・tetsuya氏のプレイは、細かく動き回るフレーズや、歌うように大きく動くベースラインにその特徴があり、それがL’Arc〜en〜Cielの持つ幻想的な世界観によくマッチしていることが見て取れます。
最近はスラップでド派手にテクニックを披露するようなベースプレイが流行っているようにも見えますが、そういった単純な派手さを自慢するのではなく、スライドとグリッサンドを巧みに駆使して、ベースラインにうねりを与えて楽曲に変化とノリを生み出せるのも、ベースという弦楽器ならではのプレイです。
正確なリズムを維持しながらフレーズをうねらせるにはしっかりとした練習が必要になりますが、ぜひ多くの人に、こういったプレイにチャレンジしてほしいなあ…と思っています。
そういったときは、楽器店の下取りに持ち込んでも良いのですが、やはり重たい楽器ともなると、持って行くのも少し面倒だったりするもの。
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