本日は、兵庫県尼崎市の楽器工房・Sagoが新しく設立したブランド「Stem」からリリースされている同社の主力商品「Ove」についてレビューしてみようと思います。
(2022年2月更新)Sago Stem Oveを愛用して活躍するベーシスト・アヤコノさんについて言及するなど、全体的に記事をリライトしました。
- Sago Oveを少し手頃な価格で買いたい
- Oveのパッシブ特化版のベースが欲しい
- Oveについて、Sago版とStem版の違いを知りたい
- ラップ塗装が施されたベースに興味がある
- アヤコノさんのファンで、同じベースが欲しい
もくじ
Sagoの新たなブランド・Stem
兵庫県尼崎市に拠点を構える楽器工房のSago。高い技術力と個性的なアイデア、そして流麗なデザインで、プロからアマチュアまで、多くのファンを抱える、非常に人気あるメーカーです。
オーダーメイドギター&ベース工房 | Sago New Material Guitars
そんなSagoは、基本的にオーダーメイドを主力としているのですが、他のオーダーメイド系楽器と比べるとマシとはいえ、それでも30万円程度の金額は覚悟しないといけないところでした。
そこで、少しでもSagoの魅力を多くの人に伝えたい、との願いのもとリリースされたのが、スチューデントブランドの「Seed」。このブランドから出ている、ギターの「Rutile」、ベースの「J4 Tabuchi Custom」などは、いずれも6~8万円程度という価格帯ながら、Sagoのアイデアがぎっしり詰まっており、非常に高い評価を得ています。
今回ご紹介する「Stem」は、そんな「Sago」と「Seed」の間を埋めるブランドという位置づけ。
「Seed」は「種」という意味ですが、「Stem」は「幹」。「【種】から【幹】を伸ばし成長する」という意味が込められているそうです。
StemブランドのOve
さて、そんなStemブランドから最初にリリースされたのは、Sagoブランドの主力ベースである「Ove」。
SagoのOveについては、既にレビュー記事を書かせていただいたことがあります。
このSago Oveを基本に、少し価格が下がるようにアレンジされたのが、今回のStem Oveということになります。
アヤコノさんも愛用するベースです
(2021年11月追記)このStem Ove、Twitterの「弾いてみた動画」をきっかけにブレイクし、東京パラリンピックで、あの布袋寅泰さんと共演を果たした若き女性ベーシスト・アヤコノさんが愛用することでも知られています。
これから弾いてみた撮ってみたい人はこちらの記事
【ギター】弾いてみた動画の撮り方・SNS投稿・必要機材を一挙公開
*☼*――new bass――*☼*
愛犬をモデルにつくっていただきました✨
ピックガードとの相性も絶妙で、一生使いたいオリジナルカラーのベースになりました🥰感謝を忘れず、この子と共に成長していきます!!!!✊💖 pic.twitter.com/qp1Ggb6VE3
— アヤコノ🧢 (@ayaconno) July 30, 2020
アヤコノさんのTwitterアイコンをモチーフにしたこのカラーリング仕様のStem Oveは、アヤコノさんのシグネチャーモデルとして、Sagoの公式通販サイト「Reodell」で購入することも可能です。
SagoのニューブランドStem Ove4 初のシグネイチャーモデル
Stem Oveの特徴…Sagoとの違いは?
このStem Oveは、アルダーボディのメイプルネック、ローズウッド指板という、材の選定的には割とスタンダードな形になっています。
ちなみに、Sago Oveもおおむね同様なのですが、こちらはボディ材のアルダーがサーモウッド加工されているのが通常ですので、その点においてStemとの相違が生じています。
そして、基本的なボディシェイプは、SagoもOveも同じで、ジャズベースを基調としつつ、形状を少し見直すとともに、21フレットまで用意されているので、ハイポジションでのプレイがしやすいという特徴があります。このあたりのプレイアビリティの良さは、SagoもStemも同じですね。
なお、コストの多くを占める木材加工について、Sagoは自前でやっているところ、Stemは外注をかけているんだとか。これがコストカットに大きく効いているそうです。
ピックアップは、L(x)シリーズの「L(x)LJB1」が2機搭載。こちらはSagoのモデルだと上位の「L(x)JB4」が搭載されていますので、ここもコストカットポイントになっている様子。とはいえ、「L(x)LJB1」もかなりパワフルで上質なサウンドを生み出せるピックアップであり、ここはネガティブにとらえる必要はありません。
ちなみに、ピックアップは木製のピックアップカバーに覆われており、これがOveの見た目の特徴にもなっています。ここはSagoもStemも一緒ですね。
パッシブのStemとアクティブのSago
さて、StemとSagoの設計上の大きな違いはどこかというと、アクティブかパッシブか、というところ。
Stemの場合、パッシブ設計になっている一方で、パワーが欲しいときにはミニスイッチをオンにすることで2つのピックアップをシリーズ接続し、ハムバッカー化することができます。
一方で、Sagoの場合は、アクティブ・パッシブを切り替えができるようになっています。Sagoの場合は、ボディがサーモウッドということもあり、少し軽量化が図られているところをアクティブでカバーする、というような考え方もあるように感じますが、他方でStemの方は一般的なアルダーのベースなので、ここは廉価か否か、というよりは設計思想の違いと理解した方が良いかもしれません。
このあたりの詳細な仕様は、アヤコノさんが登場する動画でも説明があったりします。サウンドも聴けますので、ぜひご覧いただければと思います。
www.youtube.com
Sagoの十八番・ラップ塗装はStemでも!
そして、このOveも含め、多くのSagoの楽器で採用されている、特徴的なルックスを生み出しているのが、ラップ塗装。塗装時にサランラップを楽器に貼り付けることによってできる模様が、非常に個性的なカラーリングを生み出す、という、アレです。
このラップ塗装を、Stem Oveでは選択することができます。通常ラインナップの新ラッカー塗装に比べて1万円高になりますが、これ、Sagoの通常オーダーメイドで追加すると1万円ではとても足りません。ラップ塗装に興味のある方には、特にオススメです。
価格が悩ましい…25万円あれば、SagoのOveも射程圏内
そんな、非常に魅力的なStem Oveなのですが、実はこのベースを検討する際に非常に悩ましいのが、価格です。
このStem Ove、「SagoとSeedの間」という位置づけになっており、仮にSagoを30万円、Seedを8万円とするのなら、Stemは概ね15~20万円くらいで来るのかな、と想像していたところでした。
ところが実際の販売価格は、おおむね25万円程度。
ベースを買うのに25万円を出せる人なら、もう少し頑張って、最上位ブランドの「Sago」を買うことにしよう…と考える人も、相当程度に多いのではないでしょうか。
まとめ…「お求めやすいSago」ではなく、上質な国産ベースです
このように、非常に魅力的なベースでありながら、価格に一瞬たじろいでしまうのが、Stem Ove。
もちろん、前述のように、SagoとStemではボディシェイプを一にしながらも、音作りの面で異なるところがあるので、あえてパッシブのStemを求めるという選択肢もあり得るとは思うのですが…少なくとも、この価格だと、「お求めやすい」とは言いがたいのが実情だと思います。
ただしそれは、あくまで「SagoとSeedの間」という視点で見る限りにおいて、です。
この価格帯だと、おそらくAtelier ZやMoonなどのベースがライバルになってくるかとは思いますが、それらと比較すると、弾きやすいボディシェイプや上質なL(x)ピックアップのサウンドといった点において、Stem Oveには、非常に大きな強みを感じます。
そして、Sagoの魅力であるラップ塗装、これを20万円台のベースで手にできるというのは、非常に魅力的です。このルックスの個性は、なかなか他のメーカーでは出せません。
弾きやすさ、上質なサウンド、ラップ塗装が生み出すルックスの個性…ライブ派のベーシストにとっては、非常に心強い特徴がてんこ盛りなんです。
ところが、こうしたStem Oveの強みも、「SagoとSeedの間」というところにとらわれると、価格が妙に気になってしまい、このベースの正しい姿が見えません。
Stem Oveは、決して「Sagoの廉価版」ではなく。あくまで「20万円台の上質な国産ベース」。この視点に立つことで、正しくこのベースを評価できる。私はそう思います。そして、そこを正しく理解すれば、とっても素敵な楽器なんです。
ぜひぜひ、多くの人にこのベースの良さを、味わっていただきたいと思います。
そういったときは、楽器店の下取りに持ち込んでも良いのですが、やはり重たい楽器ともなると、持って行くのも少し面倒だったりするもの。
そんなときにオススメなのが、ネットからも申し込める楽器買取店。
2.ギター買取以外にもベースやギターなどどんな楽器でも買取可能!
3.宅配買取でも送料・手数料完全無料!
電話でもネットでも申し込みができ、最短30分で楽器を現金化できるという圧倒的なスピードが魅力的。
また、査定も楽器のプロが行いますし、全国対応の安心感もあります。
楽器の下取り・買い取りを検討されておられる方、ぜひネットからの楽器下取り・買い取りにチャレンジしてみてください!
評価 | |
---|---|
名前 | 楽器の買取屋さん |
特徴 | 出張買取・即日対応・宅配買取・全国対応 |
2.送料無料!箱に詰めて送るだけ♪バイセルの宅配買取
3.楽器以外の時計やブランド品も買取しています。
ギター・管楽器・弦楽器など経験豊富なスタッフがしっかりと状態を確認します。
評価 | |
---|---|
名前 | バイセル |
特徴 | 出張買取・即日対応・宅配買取・店頭買取 |