本日は、オーディオテクニカから2019年の夏にリリースされた商品、「ATH-CKS5TW」についてレビューさせていただきます。
- 低音重視の完全ワイヤレスイヤホンを探している
- オーテクの「Solid Bass」シリーズの完全ワイヤレスが欲しい
- ATH-CKS5TWの評価・口コミを知りたい
- ATH-CKS5TWとソニー・WF-1000XM3の比較をしたい
もくじ
オーディオテクニカの個性派イヤホン「SOLID BASS」
オーディオテクニカというと、多くの方は比較的上品で、上質なサウンドを得意とするヘッドホン・イヤホンのメーカーだというイメージを持っている方が多いように思います。
ところが、そんなオーディオテクニカのラインナップの中で、ひときわ異彩を放っているのが、この「SOLID BASS」シリーズ。
とにかく、徹底的に重低音に振り切った音作りをしており、ロックやヒップホップを始めとした、低音を聴かせる系の音楽を非常にパワフルかつクールに再生してくれるこの「SOLID BASS」。
ただし、単に低音だけを得意とするのではなく、中域~高域も、実はしっかり再生してくれており、「低音をしっかり聴きたいけど、全体のバランスも大事」という層に対して、圧倒的な訴求力を誇っていました。
そうした、一見アンバランスなようで、実は高いレベルでバランスのとれたこのSOLID BASSシリーズは、有線イヤホン・ヘッドホンはもちろんのこと、Bluetoothイヤホン・ヘッドホンや、さらにはスピーカーまでもと、オーディオテクニカの看板商品の1つとして、幅広く展開がなされてきたところです。
SOLID BASSシリーズのフルワイヤレスイヤホン
そうした中、満を持して登場したのが、今回紹介する「ATH-CKS5TW」。
これは、これまでSOLID BASSシリーズのラインナップになかったフルワイヤレスイヤホン。
どうしてもフルワイヤレスイヤホンは、その構造上、低音を苦手にすることが多かったのですが、そこにあえて「SOLID BASS」の看板をひっさげて、威風堂々乗り込んできたわけですので、これは期待が高まります。
それでは、このATH-CKS5TWの特徴、早速見ていきましょう。
心地よい付け心地
フルワイヤレスイヤホンは、バッテリー等をこの中に格納しないといけない関係上、一般的なイヤホンよりも少し筐体が大きくなるため、付け心地が一般的なイヤホンとは少し異なってきます。
そして、その付け心地は、まさにサウンドにも影響してくるのですが…
このATH-CKS5TWについては、適度なフィット感があり、とにかく付け心地が大変素晴らしいです。
この付け心地に大きく貢献しているのが、オーディオテクニカが今回ATH-CKS5TWのために開発したというイヤーピース。薄く頑丈なシリコンのイヤーピースは、耳穴にうまくフィットするように形を変えてくれますし、また放射状のデザインは音抜けの良さにも貢献してくれています。
そして、付け心地にもう1つ影響しているのが、デザイン面でも一つの特徴になっている3Dループサポート。これが耳の内側にひっかかることで、着用後の安定感にも大きく貢献してくれています。
なお、イヤーピースについては、4サイズが同梱されています。フルワイヤレスイヤホンは、特にイヤーピースが付け心地やサウンドに与える影響が大きいので、ここはしっかり吟味して、ちょうど良いサイズを探してみてください。
圧巻の連続再生時間15時間!充電器込みで45時間!!
そして、これもフルワイヤレスイヤホンの弱点として一般に言われていることなのですが、連続再生時間の短さ。
ところが、ATH-CKS5TWは、このウィークポイントも見事に克服してきています。
なんと、本体だけでの連続再生時間が15時間もあります。一般的には5時間程度保てば上出来とされている中、なんとその3倍もの持続時間をたたき出してきました。
ちなみに、ケース兼用の充電器を併用すると、45時間の連続再生時間を誇ります。このバッテリーの保ちの良さは、2019年夏の時点において、他の追随を許さない、圧倒的なパフォーマンスです。
サウンドは…すさまじい低音!なのに高音も聞こえる
さて、このATH-CKS5TWのサウンドはどうか。さっそく、聴いてみることにしましょう。
ちなみに、使用時は、事前にペアリングを行っていれば、次からはケースから取り出すだけで自動的に電源がオンになり、普段使っているプレイヤー・スマートフォン等と自動的に接続されるようになります。このあたり、非常に便利です。
というわけで、サウンドの印象。
…さすがSOLID BASS!まずは質、量ともに圧倒的な低音に驚かされます。
低音の圧倒的なパワーは、概ね想像どおりなのですが、その質の高さも見逃せません。たとえば、ロック系の音楽を聴いていると、ベースの弦がフレットに当たる音までしっかり聞こえてきます。目を閉じると、ベースの指板が目に浮かぶような…それほどにリアルな低音なのです。
ただし、これもまたSOLID BASSの特徴なのですが、低音がしっかり聞こえるからと言って、中域~高域が聞こえないということは全くなくて、むしろ低音との対比を通じて、しっかりこのあたりのサウンドも聞こえてくるのです。もちろん、低音が中心の音作りになっているので、相対的に控えめではあるのですが、たとえばベースと絡むドラムのハイハットやライドシンバルの音は、かなり鮮やかに聞こえてきます。
まるでノイキャン?遮音性が相当高い
そして、音を鳴らしてみると分かるのですが、まるでノイズキャンセリングイヤホンのように、周りの雑音がすーっと消えていきます。
このイヤホンは、電子機器としてのノイキャン機能は一切有していないのですが、イヤホンとしての装着感の高さが、まるで高品質な耳栓のように機能し、外音を物理的に相当程度遮ってくれています。その状態で、低音に寄せたサウンドを流しているわけですから、外音はホントにほぼ聞こえなくなるのですね。
これは、本当にすごいイヤホンです。
本体アップデートは確実に
そうそう、このATH-CKS5TWについては、発売後に本体のアップデートが行われています。
このアップデートパッチを当てると、低音の圧倒的なパワーが少し控えめになる一方で、中域~高域がよりはっきりと聞こえるようになり、イヤホンとしてのバランスは一層良くなります。
一部には、アップデート前の「ゴリゴリの低音モード」の方が良いという声もありますが…基本的には、アップデート推奨ですね。
同日発売・ソニーのWF-1000XM3との比較
ちなみに、2019年の夏に発売されたフルワイヤレスイヤホンといえば、ソニーのWF-1000XM3も非常に話題になっています。
こちらも相当に人気商品でして、一時は品薄で入手困難になっていたほどでした。単体のイヤホンとしてのレビューは、上記ブログにおいてかなり書き込んでいるので、そちらをご覧いただくとして、ここではATH-CKS5TWとの比較に特化して考察してみます。
まず、サウンドの傾向として、どちらかというとWF-1000XM3は中域~高域を得意としている一方で、ATH-CKS5TWはこれまで見てきたように、低音を得意とするイヤホンです。ですので、基本的にはサウンドの好みによって商品を選択するのが基本路線になるでしょう。
WF-1000XM3のノイズキャンセル機能は確かに非常に魅力的ですが、ATH-CKS5TWの装着感の高さが生み出す、ある種アナログな遮音能力は実は結構高いので、ノイズキャンセル機能の有無は、これら両者の比較において、それほど気にしなくても良いのではないかと思います。(なお、これは、WF-1000XM3のノイキャン機能が不足しているのではなく、ATH-CKS5TWの遮音機能が相当に高いということでご理解ください)
ちなみに、価格については、WF-1000XM3が3万円弱なのに対し、ATH-CKS5TWは1万円台後半。
イヤホンとしての実力は、個性の差こそあれ互角かな、と思わされる中、これだけ価格差が開くと…実はATH-CKS5TWにむしろ分があるのでは…と思わされてしまうほどです。
【まとめ】お手頃でパワフルな完全ワイヤレス!WF-1000XM3とも互角以上!
ということで、このATH-CKS5TWの特徴を見てきました。
「SOLID BASS」シリーズにふさわしい、質・量ともに優れた低音、そしてそれらにかき消されることのない中域~高域の再生力は、非常に魅力的です。また、イヤーピースの着用感の高さからくる遮音能力の高さや、既存商品の常識を覆す圧倒的な再生時間の長さといった点も魅力で、フルワイヤレスイヤホンとして1つの完成形に至った商品であるといえるでしょう。
この商品力の高さは、現在大ヒット商品となっているソニーのWF-1000XM3にも全く引けを取らない…どころか、1万円以上の価格差を踏まえると、むしろ価格面も含めた総合力ではこちらに分があると考えることもできるほど、このATH-CKS5TWは魅力的な商品です。
WF-1000XM3とATH-CKS5TW、これらは、この夏のフルワイヤレス市場を牽引する、2大巨頭になりそうな感じですね。
求めるサウンドの方向性、着用感、ノイズキャンセル機能の必要性などを総合的に勘案しながら、ぜひこれら両者を、しっかり比較して、ご検討いただければと思います。
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